再手術

 今まで述べたような事を毎日毎日、3ヶ月くらい繰り返していくうちに、少しずつ入院生活にも慣れてきて頭部の腫れもひいてきたので、回診に来た先生にも、「良い感じになってきましたね」などと言われ、頭部にレジンという損傷した頭蓋骨の替わりを埋め込む再手術への期待が高まってくるのだが、いつまでたっても母にも私の方にも打診が無い。だから母が「保険がもうすぐ切れるから」と急がせて、手術日を早めてもらったらしい。再手術は数日後に行われた。

 手術日当日、病室で時間前に麻酔の点滴を受け、手術室へ向かった。
 それからの事はよく覚えていない。妙に緊張している中、担当医に「眠っちゃえばすぐ終わってて、病室にはお母さんが待ってる」と言われ、それを聞いて安心したのか、気がついたら本当に病室に居て、目が覚めたら母がそばで手を握って「おかえり、よく頑張ったね」と笑いかけてくれた。
 その頃はそんなに痛みも感じなかったが、面会時間が終わる頃になると、急に心細くなったせいか、少しずつ頭部がズキズキしだし、母が帰る頃には激痛に変わっていき、手術のせいか熱があるというので氷枕をあててもらった。

 それでも私が痛がるのを見て母は「可哀想に、陽ちゃん痛いのね。お母さん替わってあげたいよ。陽ちゃんが泣くと私も泣きたくなっちゃうよ。」と手を握って一緒に泣いてくれた。
 その姿を見て、「この病院で味わってる苦痛になんて負けずに、泣いてるヒマがあったらとっとと回復する為の事を頑張って一刻も早くここを出てやる!」と心に誓い、それまでは色々騒いでた問題患者だったのだが、一応真面目な患者に転身をした。

 手術から1週間後くらいから、担当医が包帯を取り替え、消毒をしに来るのだが、術後、腫れてすっかり変形してしまい、怪しい妖怪のような頭部になってしまっていた。
 それを見た見舞いに来ていた母やおばは真面目に心配したものである。

 それを境に頭部の傷は回復に向かうが、その途中、異様に傷口が痒くて、包帯の上から掻きむしろうとするものだから、遂に右手にキャッチャーミットのような手袋をはめられてしまい、しかも寝ている時掻かないように、その手をベッドの柵にマジックテープのベルトで縛り付けられた。

 一応仕方なく堪念して、痒みに耐えていたけど、そのうち手袋も外され、ボリボリ掻きむしられて、頭皮が代謝したのか段々回復して腫れも退いていった。

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