バカチョン(コンパクト)カメラ、『写るんです』などの使い切りカメラや、最近流行りのデジタルカメラで、大層な機材を使わず、簡単に美しい写真を撮る(写真撮影する)にはどうしたら良いかということを考えてみます。


フラッシュ(ストロボ)は使わない
 フラッシュは暗いところでも簡単に写真が撮れる便利な道具で、今ではごく普通に使っていますし、使い切りカメラでは、レンズがとても暗いため、フラッシュなしではとても写りません。従って、この章は使い切りカメラには当てはまりません。使い切りカメラなどのレンズが暗いカメラでは、フラッシュをふんだんに使用して下さい。その際気を付けなければならないのは、大抵のフラッシュは2〜3mが届く限度だということです。だからなるべく近づいて撮ってください。
 フラッシュは上記の通り大変便利な道具ですが、反面その場の光を殺してしまうという点もあります。

生物(人物含む)を撮るときは、対象の視線の高さで撮る
 小さい子供など撮るとき、ついつい母親などカメラマンの視線でそのまま撮ってしまいがちですが、これでは子供を見下ろしている写真になってしまい、あまり面白くありません。どんなに低くてもなるべく、相手の視線に合わせるようにしましょう。それができなければ、なるべく合わせるだけでも随分違います。

生物(人物含む)を撮るときは、後ろからは撮らない
 なるべく、相手の顔が見える位置に移動して写しましょう。後ろからでは表情も分かりませんし、生物(人物含む)が写っていると、それが自然に中心になるという効果も薄れてしまいます。

写真一枚で、なるべく事象を説明する
 写真を見る人は、全く先入観などなければその場に居合わせない場合が多いので、その場の状況、雰囲気など知り得るはずがありません。撮った人が「ここはこういう場面で、こういう気持ちでこういうポーズをとっているんだよ。」と云っても、説明された方はわけがわからないし、つまらないでしょう。そういう後から説明すること全てを一枚の中になるべく詰め込んでください。後から説明など付けるのは、野暮(やぼ)というものです。

写真屋さんを選ぶ
 写真を撮ったら、デジカメでなければ、どこぞのお店を選び、そこに写真を出しますが、カラーネガフィルムという通常普通の人が使用する駅などで売っているフィルムは、撮った人の露出補正など全く意味はなく、写真がきれいに上がるかどうかは、全て写真屋さんにかかっていると云っても過言ではありません。安いのにこしたことはありませんが、以前ほどほどのお店でバイトしていた時に、「安い店で同時プリントを頼んだら、ネガにボツボツが出てしまったので、どうにかして。」という人が多数居ました。もうこれは後の祭というやつで、どうしようもありません。
 これは極端な例としても、一つのお店でなるべく外注ではなく、ミニラボと呼ばれるお店の中に現像機が置いてあってそれで現像するタイプのお店を選んだ方が良いでしょう。もちろん例外はあり、そこのご主人が外注先にうるさい注文を出すような所ならば外注でも良いのですが... なぜミニラボ形式が良いかというと、できた写真を見て、これはもっとこういう色にして欲しいとか、もっと暗くして欲しいなどと云って、できた写真をもう一度焼き直してもらうことができるからです。できあがった写真をもう一度焼き直させるなどとんでもないと思われる方もいらっしゃるでしょうが、これは客として当然の権利で、こういうことを云わないと逆におとなしい客だと甘く見られて、今後も適当にされてしまう可能性が大きいのです。このようにできあがった写真に注文をつけるのが気が引けるのならば、次に頼むときに、「こういう風にして。」とあらかじめ注文を付けておけば良いのです。このようにしておけば、その店のご主人があなたの名前を覚えて、次に来たときも「この人はうるさい。」とか「この人はこういうのが好みだ。」ということになり、段々と自分の好みの写真が最初から上がってくるようになるでしょう。(嫌われる客になれと云っているのではありませんよ。)
 ですから、写真屋さんはそこに出すと決めたら、値段などに左右されず、なるべく自分の懇意になった写真屋さんに続けて出すことをお薦めします。

シャープをかける。
 フィルムを使うカメラは、あらかじめフィルムに物体の輪郭をはっきりさせる薬品が塗ってあるので問題ありませんが、デジカメの場合、撮った写真がブレてもいないのにボーっとしている場合は、画像処理ソフトで開いて、シャープをかける処理をすると、見違えるようにスッキリする場合があります。詳しくは、『デジカメ写真を加工する方法』のコーナーをご覧ください。

ブレないようにする。
 当たり前のことですが、結構大変なのです。前述のようにストロボを使わなければブレやすくなるので余計です。三脚など持って歩くのは大変ですし、割り箸のような数十センチに小さくなり鞄に入るタイプでは余計ブレるだけです。三脚は、単純に云うと重ければ重いほどブレなくて良いのです。
 そこで三脚など持っていかずに長時間撮っていてもブレないようにするには、そこにあるものに身を寄せて、ブレないようにするしかありません。そこにある杭、花壇など使えるものはどんどん使いましょう。セルフタイマーを使い自分たちを撮る場合でも、そこにある物の上にカメラを置き、覗いて写る範囲を確認してからセルフタイマーをセットすれば、三脚など持っていかずとも、自分たちの写真を撮ることができます。
 こういうことを考えると、以外とこういったカメラを固定できる場所は多いものです。

なんでも入れようとしない
 下手な写真というのは、だいたい余計なものが写っていることが多いのです。余計なものが写っているということは、インパクトが弱くなり、『弱い』写真ということになってしまいます。少し削りすぎだなというくらい削ってしまってください。
 例えば人物の顔ならば、おでこから上は切ってしまうくらいにしてください。要は、『想像できるところは削ってしまう。』ということです。上の例でいけば、人物のおでこから上は、もう帽子をかぶっているかいないかはわかりますし、大体誰でもどんな頭かは分かります。これに付随する大事なことは、『複数の事象を詰め込まない。』ということです。一枚の写真には一つのことだけ語られていればそれで良いのです。別の事柄は別の写真になっていないと、見る方はどれを見ればいいのか大変です。一枚の写真には一つのテーマとなる事象があり、それに付随する(それを補強する)ものが周囲にあれば、もうそれで良いのです。そこで、「山がきれいだ。」や「...を持っている。」など他のことが一枚の写真に入ってくると、見る方はどれが中心だか分からない、要は『弱い』写真となってしまうのです。

逆光を恐れない
 とかく一般の人は、逆光はいけないと思いこんでいるようで、逆光を嫌がります。確かに逆光の方が順光に比べて露出の調整は難しいのですが、断然逆光の方が面白い写真が撮れます。逆光が駄目というのは数十年前の性能の悪いカメラの話で、現在のカメラでは『分割測光』(多分割測光、評価測光などメーカーにより云い方が異なる。)といわれる方式がとられていて、これならば昔のカメラのように逆光で撮ると明るい背景と暗い人物の間をとって中途半端な露出(明るさの具合)になることもありません。また、多くのカメラは(よほど低級機でない限り)シャッターボタンの半押しで露出やピントが固定されますので、背景の夕日などを全面に入れた状態で上記の半押しをし、それから手前に人物などを入れた構図にして実際シャッターを切ると、人物がシルエットになり、背景の夕日などがきれいに写った写真になります。

フラッシュを(ストロボ)使う際の注意
 フラッシュを使うときは(使わない方が良いのですが、やむを得ず使うときは。前述のように、使い切りカメラは元々レンズがとても暗いのでフラッシュの力を借りずには写りませんし、また通常のカメラでも安いズーム機能の付いたものはそうです。ただしデジタルカメラはそうではないようです。)いくつかの注意点があります。まず、大抵のフラッシュは光が届く距離は2〜3メートルが限度です。その範囲内でも近い方が良いので、なるべく近寄ってください。また縦位置で撮る(カメラを縦にする)は、フラッシュが必ず上に来るようにしてください。そうしないと下から光があたってお化けのような画像になってしまいます。またフラッシュの部分に指がかからないようにしてください。指がかかるとそこだけ光が行かず、画面の一部分が極端に暗くなってしまいます。


 上記の事を実践すると、周囲から見るとかなり変な人に見られることになりますが、それは個人の判断で(笑)。また全ては基本です、これを崩してはじめて応用が成り立ち、個性が生まれてくるのです。


実例


夕日を撮影する。

 上の写真(クリックすると大きくなります)は、02年の9月21日にJR西荻窪駅前で私が撮影したものです。カメラはCanonのIXY degital 300aというごく普通のコンパクトカメラです。
 ただ単にきれいな夕日に向けてシャッターを切っただけでは、やたらと明るい夕日でもなんでもない写真ができあがってしまい、失望されることが多々あると思います。夕日だけに限らず、それに向けてシャッターを切っただけではきれいに写らないものは他にもあるのですが、全般に通じる話になると非常に分かりにくいことになってしまうと思うので、ここでは夕日ということに絞って書きたいと思います。

 夕日をきれいに撮影するには、いくつかのコツがあります。まず、

1, フラッシュ(ストロボ)は使わない。
 他の章でも書いたように一般の撮影でも使わない方が良いのですが、特に夕日の場合、特殊なものを除いてフラッシュが届くのは最高でも20メートルまでですので、到底数千メートル先の雲に届くわけがなく、全く無意味なわけです。
 これは、他の天体撮影や、夜景、スポーツ観戦にも云えることです。

2, 露出補正をする。
 カメラというのは撮影されるものが皆、中くらいの明るさで撮影されるように調節してしまうので、夕日を撮影しても空が中くらいの明るさで撮影されるように調節されてしまい、夕日の色も薄くなってしまいます。人間の眼は、段々暗くなる空についていけず、少し暗い空によって誇張された夕日に感動するのです。
 そこで、露出補正を加えて、カメラが判断した明るさよりも暗く指示するのです。この写真では-1暗くしています。

3, 地上の景色を入れる。
 ただ単に夕日だけを写しても、単調な風景を見せられる方は面白くありません。それよりも、地上の夕暮れの情景を少しでも入れた方が、情感が出て面白いというわけです。

4, ピントは無限遠に。
 夕日を撮影する際のピントは、無限遠(山のマークや無限大 () のマーク)にしてしまいます。通常のコンパクトカメラでは、20メートルより被写体が遠かったら無限遠にしてしまって構いません。さもないと、カメラは赤外線をあてて距離を測るのですがその際、相手が遠いと赤外線が行ったまま返ってこず、勘違いしてとんでもないピンぼけ写真が撮れてしまうことがあります。

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